アラサーなったら読むブログ

アラサーじゃなくても読むブログ

(書評)マイナス金利 ハイパーインフレよりも怖い日本経済の末路

 

今回はさっくり書評を。最近、話題になったマイナス金利についての本を読みました。

 

 

マイナス金利

マイナス金利

 

 

 

マイナス金利、という言葉は最近ニュースに取り上げられることが多かったので、聞いたことがある方も多いだろう。尚、本書は昨年12月の日銀のマイナス金利導入前である、11月に発売されている。著者の慧眼は見事と言わざるを得ない。

 

つまり、本の内容は今回の日銀の政策実行に対応して書かれているのではなく、ここ数年の世界規模での金融政策の結果、様々な事象が市場で起きてきており、その一環として既に日本でマイナス金利が発生し始めていることについて書いている。

 

そもそも、金融関係者でないと余り興味はない部分になるが、ここ数年での世界規模の金融緩和の流れの中で、日銀より先に欧州ECBがマイナス金利を導入している。その狙い、効果なども本書では書かれており、日銀のマイナス金利導入について勉強したい方には本書の内容は非常に適していると思う

 

また、マイナス金利以外でもそもそもの金利の出来る仕組みや、政策金利と民間銀行金利の関係、国債価格と金利の関係など、金利の基礎的な部分についても丁寧に分かりやすく書かれており、勉強になる内容となっている。

 

ベテランの金融関係者、企業の財務関係者でも読んで満足できる内容だとは思うが、個人的には、上記の業種に属しているが金利について不明瞭な部分がある方や、金利をこれから勉強したいと思っている方向けの教科書としての使い方が良いのではないかと感じた。基礎知識の勉強にもなり、まさに話題のマイナス金利についても学べ一石二鳥だと思う

 

 

最後に、本書の内容も参考にしながらマイナス金利の導入目的、過程をかなりざっくりとではあるが、まとめたので下記に記す。

 

 

 

世界的な経済不況に対し、金融緩和で景気浮揚を図る

→国から民間銀行への貸し出し金利を引き下げ、投資を活発化させる

→一応の効果は出るが、まだ足りない

→しかし、もう金利の引き下げは限界(ほぼ0%)

→ここで質(金利)から量(金額)への緩和策に舵をきる

→その中の一つの策として、民間銀行が国に預けて寝かしておいた準備金に

    マイナス金利をつける

→置いておくだけで損をするので、銀行は無理矢理にでも市場にお金を使おうとする

→お金の供給が増加するので、経済の活発、インフレ、が見込まれる(予定)

 

 

 

 

書いてみて思いましたが、自分も仕事をして初めて理解した部分ですが、普通に生きていると国債金利の関係どころか、国債ってそもそも何?ってことすら知らずに過ごせますよね。高校や大学の一般教養としてもう少し詳しくここら辺を教えてくれるようになると、より日本の財政問題への意識も高まるのではないかな、と思いました。

 

 

ではまた。

 

 

ミチシブ