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同僚への意識の変化


30代以降、会社でどう働いていくべきか。
別に年代でくくって考えるものでは無いのかも知れないが、一つの区切りではあるので最近よく過去を振り返って考えている。

スキル面について言えば、能力は急に年をとって変わるわけではないから、目の前のやるべきことにしっかり取り組み、徐々に出来ることを広げていくという働き方が引き続き求められるであろう。だが、マインド面は自分の意識次第ですぐにでも変えることが出来る。故に、マインドの変化は必要であればすぐにでもするべきだろう。


その観点から、改めて振り返ってみると、自分の足りない部分が見えてくる。会社がおそらく30代以降の人間に求めているもの。それを端に表すのが、タイトルにある同僚への意識の変化だ。最近は気づいて行動に移せるようになって来たが、本来もう少し早くマインドシフトするべきだったと思う。自戒を込めて、思い返して書き記す。


☆   ☆   ☆



入社して5〜6年ほど経つと、誰でもある程度仕事に自信を持ち始めると思う。
自分も例外ではなく、今所属している部の仕事はあらかた理解した、と感じ始めていた。また、それなりに努力もしてきた為、若手の中では仕事が出来るほうだと、認められるようになっていた。ただ自分はいつも今の会社の外でどれくらい通用するかがその人間の市場価値だと考えていたので、落ち着くことなく成長出来そうな仕事、面白そうな仕事を自分がやることばかり考えていた。

その向上心自体は悪いことでは無かったと思うが、貪欲に求めた結果、同期や後輩がやっている仕事についても目が行くようになってしまった。自らの仕事にある程度慣れて余裕が生まれたことも要因だと思う。そうなると、『何であれくらいのことに時間がかかるのか』、『自分がやった方が効率的』、『進め方、下手だなあ』等々、他人のやり方を心の中で評価、批評してしまうようになっていった。

また、上記のように非効率に見える仕事の仕方をしていると、当然、徐々に仕事がたまっていく。そして仕事が終わらないから彼らは毎日遅くまで残業していた。私は朝早く来て仕事をする習慣にしていたので夜は比較的早かったのだが、時折彼らから、『ミチシブさんは早く帰れていいですね』と嫌みのように言われることがあり、その時は相手の仕事の進め方のダメな部分、非効率な部分を厳しく指摘することもあった。

こうしてモヤモヤ、イライラが暫く続いていたのだが、ある時その年の新入社員が自分の下につくことになった。仕事を教えていく上で、当然新人なので、非効率な部分だらけであり、的外れな方法を取ることも多かったが、不思議と上記のような気持ちは全く湧かなかった。それよりも、自分から学んで成長してもらいたいという気持ちがあった



この時、バカな自分もようやく気づいた。



自分は同僚を競争相手、ライバルと見ていたんだ、と。



だから、自分の能力と相手の能力を比較したり、批評してしまっていたのだと。



新人は文字通り新人で入ってきたばかりなので何もわからない。だから自分にとってのライバルになるはずもなく、教えてあげる立場で見ていた。だから、彼の非効率さや失敗も全て、『じゃあどうすれば良いかを一緒に考えていこう』と、前向きに捉えることが出来た。

自分と同じ世代の若手は、確かにもう新人ではないし、教えられてばかりの立場ではない。ただ、少なくとも一部の仕事に於いて自分の方が上手くやれたのだから、それを彼らに新人と同じように、『どうやったらより良くなるか』という視点で教えてあげるべきだったのだ。

この時を境に、同僚への見方を徐々に変えて行くようにしたところ、モヤモヤイライラは徐々に減って、彼らの残業も減っていった。

そう、自分に足りなかったのは『仲間として、支える』というマインドだったのだ。

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☆  ☆  ☆



勿論、同僚をライバルと見ることは悪いことばかりではない。競争し切磋琢磨し、成長しようとするモチベーションになる。ただ、それは自分が相手を追い掛ける立場の時のみにした方が良いと思う。客観的に自分の方が現状優位に立っている状態で周りを競争相手だと看做しても、自分の成長にはつながらず、むしろ自分と他者を比べて満足してしまうことさえある。


また、教えることは相手にとって有用であるが、会社にとっても有用である。極論すれば、会社はなるべく時間をかけずに効率的に結果を出して欲しい、と社員に対して思っているわけだから、社員間で競争をして非効率になるよりも(効率的になるのであれば良いが)、協力して効率を上げてくれた方が有難いだろう。



よって、最初の問いに戻るが、30代の自分は今後、
自らの成長は続けながらも、周りの成長を後押しする』働き方をしていきたい



外資金融等の人たちから見ると、そんなこと言ってたら自分の寝首が刈られるんだよ、と思うのかもしれないし、経営者から見ると使えない奴は切って、新たに使える奴は雇った方が周りの奴らが教育するコストが節約できる、とか思うのかもしれない(個人的には社風への理解とか含めてその社員レベルの人間を簡単に外から持ってこれるとは思わないけれど)。


ただ、少なくとも自分の勤める会社にとってはこの考え方は重要なようだし、自分もこの考え方に気づいて働いたところ、気分良く働けているので今後も意識して続けていきたいと思っている。



ミチシブ


追記:
トイアンナさんと総合商社の中の人、が本エントリにも関連するような面白い記事をあげていました。


記事の中に、商社では教えることが損になりつつある、とありました。
内容を見るとなるほどと理解できます、近い世代をライバルとして見ているということですね。
人事評価の中で、真の意味での『人材育成』の割合を増やさないと中々周囲に教えるモチベーションが
湧かないのでしょう。ただ、評価とは別に、自身が気持ちよく働ける、働く環境の良化という点では、周囲に教えることのメリットは有ると思っています。