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商人は商人

 

先日、元商社マンで現在は経営者の伊藤さんが上記の記事をアップしていました。

自分も商社で働いて来た身なので、同内容は非常に刺さりました。就活生は是非読んだ方がいいと思います。

 

商社を目指す就活生への個人的な意見としては、

「特にやりたいことが現段階ではなく、安定志向で年功序列大丈夫ならば超おすすめ。つまりは仕事よりプライベート重視の人が目指す最高峰」

です。

 

逆に言えば、上記と反対の性質の方は合わないでしょう。商社を入って数年ですぐやめてしまう人が最近増えていますが、それはこのミスマッチが増えているからです。採用段階だとさもチャレンジングで若手も活躍できるとか言われてその気になりますが、その実、若手のウチは上から降ってくる付加価値あまり無い業務とか、社内根回し用資料(根回し文化が無ければそもそもいらない資料)とかをやることとなります。やる気ある人ほどギャップに萎えるでしょう。

 

一方で、給料や社会的なステータスは高い為、プライベートではいい思いもたくさん出来るでしょう。ですので、面白い仕事をしてみたい、自分の力を試してみたいという欲と、モテたい遊びたい豪勢に暮らしたい、という欲を天秤にかけて後者が勝つ人であればめちゃくちゃいい会社なのではないでしょうか。

 

かくいう自分は前者よりだったので何度も上司とぶつかったり、スタートアップへの転職を考えたり(スカウト頂いたので)しましたが、商社就職の一つの強みである駐在までは頑張りたいと思い、仕事欲をスタートアップでのプロボノ等で満たすことで無事駐在まで辞めずに過ごすことができました。

 

ということで、纏めると

商社には仕事重視では来ない方が良い、待遇・ステータス重視の人が来た方が良い」

 

落合陽一さんの「日本再興計画」の中で、過去の日本では士農工商という制度階級が存在しており、当時は商人が一番身分が低いものでした。それが、ここ十年ほどは商社や外資金融等々、所謂「商」の職業がフューチャーされているが、それはおかしいというものでした。端的に言えば、制度自体を変える「士」、物を産み出す「農」、代替が効かない技術を持った「工」、の方が物の流通によって益を産み出す(=本質的付加価値は生み出していない)「商」より重視されるべき、というものでした。

 

これは、多少極端かもしれませんが本質を突いていると思います。IT技術が発達し流通や情報それ自体には価値がなくなって来たこの時代、改めて求められているのは本質的価値の創造です。つまりは「作れる人・会社」が求められています。

 

そういった時代の変遷の中、商社での業務によって得られるキャリア・スキル価値は年々落ちていくでしょう。それでも商社業務の中でも一部はかなりメーカーよりであったり、スペシャリスト的な業務もあるのでそこに関われる人たちは順調にキャリを重ねられるかもしれません。ただ、商社に入れば誰でも自動的に一流ビジネスパーソンになれる、という訳では無く、関われる仕事も運次第、ということは覚えておかなければなりません。

 

今後は、上記を全て理解した上で、虎視眈々と商社業務をしながら個人スキルを磨いて資金が溜まった時に起業、転職といった若手が増えていくのではないかと思います。逆に、そこで流出した人材を補填するために中途採用も増えていくことが予想されるので、どうしても商社に入りたい人は転職での入社を目指して頑張って今の会社業務の傍らで牙を研いでみてください。

 

おしまい